last modified: 2005/09/09
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新人賞受賞作家エッセイ
「操縦席フェチ」
八杉将司
どうも。八杉将司と申します。
なかなかこういう場で何を書けばいいのかわからなかったんですが、まあ、ここはぼくの幼い頃の話でも一つ。
保育園のとき、万能自動車なるものを絵に描いて園長さんにほめられた記憶が薄っすらとある。 幼いなりに操縦レバーやスイッチも描き込み、それがよかったらしい。
だからというわけではないけども、遊びで漫画を創作していた小学生のときも操縦席を描くのが好きだった。 それもただ適当に計器類やレバーを描くのではなく、どれがどの機能を果たしているのか頭を絞ってノートに鉛筆でごりごり描いていた。 ロボットの操縦席なんてノートのページが真っ黒になるぐらい書き込んだ覚えがある。 あのときはつくづく人間が、人間と同じ動きをする機械を自在に操縦するって難しいんだなあと思ったもんだった。
とにかく「操縦」という面倒な手続きを考えるのにとても魅力を感じていた。 一種のフェチみたいなもんですな。 操縦席フェチ。 操縦席萌えでもいいけど。
あの頃、ぼくはSFという言葉を知らなかった。 でも、そのような面倒さを空想の世界に好んで取り入れるのはまさにSFじゃないだろうかと思う。 つまり今ぼくがSF作家をやってるのは、保育園あたりから抱えていた操縦席フェチが高じた結果なのだ。 えーと。 いいんだか悪いんだか。
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